動脈硬化予防に『ナットウキナーゼ』

ナットウキナーゼ』には、血管の中の血の塊(血栓)を溶かして血液をサラサラにする作用があります。 それによって動脈硬化が防がれ、高血圧、心筋梗塞、脳血栓、脳卒中、ボケなどの予防に効果を発揮します。 血液をサラサラににするといわれている食品には、黒酢、りんご、 生玉ねぎなどがありますが、 血液中にできた血の塊を直接溶かすことができるのは納豆に含まれる成分ナットウキナーゼだけです。


■血栓症の危険

年を取るにつれて血栓は増えていく

脳梗塞や心筋梗塞の前兆である「梗塞」は加齢にともない誰の体にも発生しています。 ある調査によると、40歳代では4人に1人、50歳代では3人に1人、60歳代では2人に1人、 70歳代ではほぼ全員に小さな梗塞があるといわれています。 そして、血流障害を起こすのは、脳だけではありません。 私たちの体の中に網目のように張りめぐらされた毛細血管は、なんと全長10万km。 これらを全てつなげれば地球を2周半もしてしまうというというのですから、なんとも驚くべき長さです。 こんなにたくさんある全身の毛細血管の中で溶けずに残る「血栓」は、 体内での血流障害の要因として問題となります。

血栓とは、血管の動脈効果が進んで血管壁が壊れ、そこに血小板が集まり血管を塞ぐことです。 血栓は自覚症状がなく知らず知らずのうちに進行し、脳や心臓に血栓ができれば身体的に大きなリスクとなり、 時に、「突然死」を招きます。突然死は、特に朝方に多く発症します。 これは睡眠中に身体の水分が蒸発し、血液がドロドロになっている時、 起き掛けに過敏な動作をすると心臓に負担がかかり血栓が起こりやすくなるためです。

ところが、この厄介な血栓を溶かす成分が、私たちの身近な食品に含まれていることがわかったのです。 人体にとって有用な細菌(善玉菌)は乳酸菌をはじめ数々知られていますが、 その中の1つに「納豆菌」があります。 納豆菌は納豆を作るときに大豆を煮た後、発酵させる為に加える菌として日本人にはなじみ深い細菌です。 納豆菌は、腸を刺激して消化活動を活発にする、腸の善玉菌を増やし、悪玉菌をつくる腐敗物の生成を減らす働きをします。 そのため「納豆菌」は「乳酸菌」と同様、整腸作用があり便秘・便通の改善に有効であることが古くからよく知られています。 納豆菌が発酵する際に、活性酸素除去酵素(SOD)やビタミンK、葉酸などを作り出しますが、 『ナットウキナーゼ』も、その際に生成されるタンパク質分解酵素の一つです。


■納豆菌・ナットウキナーゼ

人体に有益な働きをする納豆菌
効果の持続時間が圧倒的に長い!

私たちの血液の中には、止血したり、傷ついた血管を修復したりする、「フィブリン」という物質があります。 フィブリンは、ゲル状(ゼリーのようなドロドロの状態)をしていて、血液を凝固させるため、血栓が作られる際に、 重要な役割を果たします。通常、体の中では、自然にフィブリンを溶かす作用が働いているのですが、 老化などによってその機能が衰えると、フィブリンが溶解されず、血管が詰まりやすくなります。 ナットウキナーゼは、このフィブリンに働きかけ、血管の中で血が固まった血栓を溶かし血液をサラサラにして動脈硬化を防ぎ、 心筋梗塞、脳血栓、脳卒中、ボケなどを予防します。 また、最近では、肥満や生活習慣病の原因とされるメタボリックシンドロームが急増していますが、 いわゆる”メタボ体質”の人の血管の内側(血管内腔)はとても狭く、血液が詰まりやすくなっています。 この状態を放っておくと、血管はさらに傷つけられ、血液が流れにくい状態に変わっていきます。 場合によっては、血栓症が引き起こされ、死にいたる危険性もあります。 血栓を溶かす作用のあるナットウキナーゼは、こうしたメタボリックシンドロームの改善にも欠かすことのできない成分でもあります。

ナットウキナーゼは、その効果の持続力でも、大変優れています。 心筋梗塞の治療に使われる注射薬の場合、血栓溶解に働く持続時間は約4~20分程度です。 一方、ナットウキナーゼでは、8~12時間と圧倒的に長いことがわかっています。 こうした血栓溶解剤の代表的なものに「ウロキナーゼ」という薬があります。 ナットウキナーゼはウロキナーゼと似た働きをしますが、納豆100gの中には、値段に換算すると、 約16万円分のウロキナーゼに匹敵するほどの効果があるのです。 血栓が溶けて血液がサラサラになれば、全身の血行が良くなるため、 高血圧の予防・改善につながるのは、いうまでもありません。 また、悪玉コレステロールの酸化は高血圧を招く一因ですが、納豆はこれを防ぐ働きもします。

納豆の効果は、これだけにとどまりません。 私たちの体の中には、「レニン-アンジオテンシン系」という、血圧に関連したメカニズムが存在します。 血液中のACEという酵素が、アンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変えることによって、 血圧が上昇することがわかっています。納豆はこのACEの働きを抑えて、高血圧を予防・改善するのです。

もう一つ、ナットウキナーゼの特徴として注目すべきは、その安定性です。 主に生鮮食品に含まれ、生物が生きるうえで欠かせない酵素は、体内に取り込まれても、 そのほとんどが消化器官で破壊されてしまいます。 しかし、ナットウキナーゼは消化液で分解されることなく、体内で有効に働くのです。 ただし、注意したいのは、ナットウキナーゼも酵素ですから、熱に弱いということです。 熱を加えると、体内に入る前にその効力を失ってしまいます。 よって、効果的に摂取するためには、納豆は加熱せずにそのまま食べたほうがいいでしょう。

ちなみに、納豆は他にもたくさんの効能を備えています。 納豆100gの中には、強力な抗菌物質が約20mgも入っており、優れた抗菌作用を発揮します。 また、骨が弱くなる骨粗鬆症の予防に効果的とされる、「ビタミンK2」も多く含まれています。 「食物繊維」と「レシチン」は、糖尿病や便秘にもよい影響を及ぼします。 「コリン」という成分は、記憶力を高め、脳の働きを活性化してくれます。

また、ナットウキナーゼの愛用者には、糖尿病が改善したという人や、 指先や足先の末端の冷え性が改善したという人、肩こりが楽になったという人が多くいます。 これはナットウキナーゼによる血流改善作用によるものと考えられます。 さらに、息切れや歩行能力の改善、狭心症の症状の消失など、さまざまな改善例が確認されていますが、 これらの効果は、どこまでナットウキナーゼと関連があるかはまだよくわかっていません。

●ビタミンKと抗血液凝固剤

それでは、血栓症予防のためには、ナットウキナーゼが含まれる納豆を日ごろからたっぷり食べればいいのかというと、 実は必ずしもそうとはいえない面もあります。 なぜなら、納豆には「ビタミンK」という成分が含まれているのです。 狭心症や心臓人工弁の手術後の治療薬には、一般に「ワーファリン」という抗血液凝固剤が使われますが、 ビタミンKを摂取するとその作用が弱まってしまいます。 このため治療では、ビタミンKを多く含む納豆、青汁、クロレラなどの食品を摂取することが制限されているのです。