高血圧の合併症対策に「脈拍・頸動脈・視野・尿の自己チェック」

血管年齢チェックに加えて、脈拍・頸動脈・視野・尿も自己チェックすれば万全で、 下に述べるような異常があれば、合併症が心配。


■脈拍が100回を超えたら心肥大が心配

高血圧の人は「血管年齢チェック」で血管の傷み具合を知ることに加え、脳・心臓・腎臓・目などに 合併症の兆候が現れていないか、ふだんから自分でよく観察する必要があります。 最低でも1ヶ月に1度は、脈拍・頸動脈・視野・尿の状態をチェックしてほしいと思います。

●脈拍のチェック

手首や首の動脈に触れて1分間の脈拍を数えたとき、健康な人は安静時の脈拍が70〜80になるのが普通です。 ところが、高血圧を長く患っていると、安静にしていても脈拍が100回を超えてしまう場合(頻脈という)が出てきます。 このとき、医師は真っ先に心不全を疑います。 高血圧の患者さんは末梢神経が大きいので、血液を強い力で全身に送り出さなければならず、 心臓は自ずと強い収縮を強いられます。それが長期間続くうちに心臓は疲弊してやがて心肥大を起こし、 心拍出量が減ってしまう結果、収縮回数を増やして頻脈を招くのです。
最近の家庭用血圧計は、血圧とともに脈拍も測れるので、ふだんから記録しておき、もし脈拍の増加傾向が認められたら 主治医に相談すべきでしょう。


■飛蚊症が増えたら眼底出血の前兆

●頸動脈のチェック

顎の下の左右両側を通る頸動脈は、血流の大きな分岐点が複数あるため、動脈硬化が特に進みやすい部分です。 そのため、医師は、エコー(超音波)検査などで頸動脈の状態を調べることにより、全身の動脈硬化の進み具合や 脳卒中の発生リスクを確認しています。皆さんも、実際に手の指先を頸動脈に当てて脈拍を調べてみてください。 もし、規則正しい脈拍でなく、脈拍のほかに「ブルッブルッ」という振動を感じたら、頸動脈狭窄が起こって 血栓が生じやすいサインといえます。さらに、耳の奥の方で「ザーッ」という異音を感じた場合も、首の動脈硬化が懸念されます。

●視野のチェック

高血圧だと、目の奥の網膜を通る血管から出血する眼底出血が起こりやすいものです。 ひとたび眼底出血が起こると、片側の視野の一部が急に欠落したり、軽度の場合でも目の前に複数の小さな黒い影がちらつく 「飛蚊症」の症状が現れたりします。 また、片側の視野の中心部が暗くなったり、歪んで見えにくくなったりする場合は、高血圧の人に多発する 「中心性網膜症」や「黄斑変性症」が懸念されます。 さらに、ある日突然、視野が急にかすんだり、物が二重に見えたり、視野が狭まったりしたら、 脳卒中の心配があるので救急車の手配を検討すべきです。
その他、起床から2時間以上たっても瞼のむくみが取れない場合は、腎臓病の疑いが濃厚。 さらに、まぶたが垂れ下がって目が開けにくくなるのは(眼瞼下垂という)、くも膜下出血の特徴的な前触れです。

●尿のチェック

高血圧の患者さんは慢性腎臓病を招きやすく、知らずに放置すると腎不全に陥って人工透析を余儀なくされる恐れがあります。 腎臓病の早期発見には、病医院で定期的に血清クレアチニン値や尿アルブミン値の検査を受けることが大切です。 尿をチェックした時に、泡立ちが増えたり、いつまでも泡が消えなかったりするなら、腎臓病の疑いが濃厚です。 赤褐色や白濁色の尿は、腎臓や尿路の炎症や感染症が疑われます。 また、腎臓の細動脈に動脈硬化が起こる腎硬化症では、夜間尿が多く、日中の排尿が1〜2回程度と少なくなり、 尿の色も薄くなるのが特徴です。