■仮面高血圧

血圧は、1日の中でも大きく変動しています。通常は、起床の前後に緩やかに上昇をはじめ、 日中の活動時間帯には高くなって、夜眠っているときは下がる、という動きを日々繰り返しています。 健康な人では、日中の血圧が最も高い状態にあり、それが医療機関などで血圧測定を行う時間帯と重なるので、 自分の血圧が正常範囲内にあるのか高血圧なのか、正しい診断を受けることができます。 ところが、医療機関などで測定する「外来血圧」は正常範囲なのに、夜間や早朝のみ、 あるいは職場でのみ高血圧になる人が数多くいます。このように、外来血圧が正常範囲、家庭血圧が高血圧の場合、 「仮面高血圧」と診断されます。「正常な血圧」という仮面をつけた高血圧」という意味で、 「隠れ高血圧」とも呼ばれます。仮面高血圧の場合、高血圧とは診断されないため、 本来は治療すべきであるのに見逃されてしまい、 自分自身も生活習慣の改善などに気を配ることをしないまま過ごしてしまいがちです。 そして、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす可能性が高まってしまうのです。 仮面高血圧の人が心筋梗塞や脳卒中を発生するリスクは、高血圧の人と同じくらい高くなっているので、治療の対象になります。 仮面高血圧には 「早朝高血圧」「職場高血圧」があります。 職場高血圧は「ストレス性高血圧」とも呼ばれています。

仮面高血圧に特に注意が必要なのは、「糖尿病、高脂血症、肥満」などのある人や喫煙者です。 こうした人は、仮面高血圧があると、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる病気をより発生しやすくなります。 また、過去に「心筋梗塞や脳卒中、心肥大、狭心症、腎障害」などを起こしたことのある人も要注意です。 どのタイプの仮面高血圧も、外来血圧を見るだけでは見つけることができません。 仮面高血圧は外来血圧が正常であるため、見逃されやすいので、自宅など医療機関以外の場所で、 自分で血圧測定を行う「家庭血圧」を調べなければなりません。 現在では、広く普及している「家庭用血圧計」を活用することで、仮面高血圧を見つけやすくなっています。

仮面高血圧になってしまうと、知らず知らずのうちに血管は確実にダメージを受け続け、 突然死の危険性が大きくなるので注意が必要です。