高血圧症

高血圧症になっても、通常すぐには自覚症状がない場合が多いですが、 長期間血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり、各組織でトラブルを引き起こします。 心臓は過重労働に対応するために心筋を増やして心肥大になり、血管、特に動脈の壁は厚くなってきます。 同時に動脈の内壁に血液成分やコレステロールが多く入り込んで、いわゆる動脈硬化が進行します。 この動脈硬化は全身に起こって血液の流れを悪くしますが、特に多くの血液を必要とする心臓と脳、 それに腎臓に深刻な病気を引き起こします。
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■血圧とは?

血液は、身体の隅々まで張り巡らされた血管を通って酸素や栄養素を運搬し、不要になった老廃物と炭酸ガスを運び去ります。 『血圧』とは、心臓から送り出された血液が動脈を通るときに血管の内壁を押す圧力のことで、 主に水銀圧計で測定し、単位はmmHgです。

一般に血圧が高い、低いというときの「血圧」は、末梢動脈の血圧です。 心臓(心室)の収縮によって血液が全身に送り出されたとき、血管壁にかかる圧力は最も強くなり、血管が広げられます。 このときの血圧が「収縮期血圧(最高血圧)」です。 一方、心臓(心室)が拡張すると、指先の「末梢血管」などの全身をめぐってきた血液は再び心臓まで戻ります。 このとき、血管にかかる圧力は最も弱くなります。このときの血圧が「拡張期血圧(最低血圧)」です。

血圧は、主に「心臓が1回の収縮で送り出す血液の量(心拍出量)」と 「末梢血管での血液の流れにくさ(末梢血管抵抗)」によって決定されます。 心拍出量が多くなるほど血管壁にかかる圧力が強くなります。また、末梢血管抵抗が増加すると、 心臓は体の隅々まで血液を行き渡らせようとして、より強い圧力で血液を送り出します。 こうした要因によって、血圧が上がっていきます。




■高血圧症

「血圧」の値は、何らかの原因によって高くなることがあり、 「血圧が高い状態が長く続く症状」『高血圧症』といいます。 高血圧症になっても、通常すぐには自覚症状がない場合が多いのですが、 血圧が高くなると、心臓と血管に負荷がかかるため、血液を送り出す心臓は正常時より大きなエネルギーが必要になり、 疲れやすくなります。また、動脈内側は血流の刺激が強まり傷つきやすくなります。 そして、長期間高血圧状態が続くと、心臓は過重労働に対応するために心筋を増やして心肥大になり、 血管、特に動脈の壁は厚くなってきます。同時に動脈の内壁に血液成分やコレステロールが多く入り込んで、 いわゆる「動脈硬化」が進行します。 この動脈硬化は全身に起こって血液の流れを悪くしますが、特に多くの血液を必要とする心臓と脳、 それに腎臓に深刻な病気を引き起こします。

心臓の筋肉に酸素や栄養素を送っている冠動脈に動脈硬化が生じると、血管内に血の固まり(血栓)ができ、 詰まりやすくなります。心筋への血液供給が一時的に不足すると「狭心症」になり、 完全に途絶えると「心筋梗塞」を引き起こします。 一方、脳の細動脈が動脈硬化で弱くなって血流の圧力に耐え切れなくなると、血管が破裂して「脳出血」になります。 また、脳の太い血管に動脈硬化が起こって血の固まり(血栓)ができ、その先の細胞が壊死すると「脳梗塞」になります。 さらに、高血圧は腎臓へも悪影響を与えます。腎臓は血液の中から不要な老廃物や有害物質を濾過し、 尿にして体外へ排出する働きをしていますが、動脈硬化が進み血液の流れが悪くなると、 「腎硬化症」になり腎臓の働きが低下してきます。